
◎解体工事には許可・登録が必要
『解体工事業』の営業をする為には、建設業法における『土木工事業』『建築工事業』『とび・土工工事業』の許可を受けている必要があります。
それ以外の場合は、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」に基づいて、都道府県知事から『解体工事業』の登録を受けている必要があります。
ですから、解体工事を依頼される場合は、必ず、これらの【許可・登録】がなされている業者であることを確認して依頼されることが、トラブルを防ぐ第一歩となります。
解体工事と言っても色々あります。
各種ビルから、一般住宅、倉庫、店舗まで、様々な解体があります。建築分野においての『解体』とは、『建設』という言葉と対にされ、『建築物を壊すこと』を意味します。
◎解体工事の方法

建物などが古くなると老朽化し、安全の為にも建て替えをします。
最近は災害も非常に多く起こります。損傷が著しく、修理が困難な場合にやむなく建て替えるしかない場合もあります。
誰も使わなくなった建物や、道路の拡張などのための立ち退き、行政機関からの命令などがあった場合にも解体されます。
また、歴史的価値のある重要建造物を移設する場合など、復元することを前提に、いったんバラバラにするというケースもあります。
『解体工事』の方法はいくつかあります。
一般的には、パワーショベルなどの重機を使って、屋根の方からどんどん取り壊していく方法がよく見られます。室内の内装を取り除いてから、圧砕工法と呼ばれる方法で行われています。
パワーショベルなどが搬入できないような狭い場所の時は、空圧工具や、電動工具などの手持ちの機械を使って、人の力で取り壊していきます。
リサイクルと同じように、解体工事において発生した建設廃材も、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」によって分別が求められています。
コンクリート片はより細かく破砕して、コンクリート片と鉄筋に分別します。
さらに、網状のバケットやバケット型の回転ふるい機などを使用して、木くずや砂利、コンクリート片など、混合物の選別作業を行います。
昔は煙突などの解体で、鉄球などをぶつけて取り壊す方法もありました。現在では騒音や振動などの近隣住民への影響や、安全面でも問題があるためあまり使用されていません。
海外では、ビルなどの大型建築物を爆薬で一瞬に解体する映像がテレビでもよく見かけます。
◎解体する上でのお困りごと

身近なところでは、家屋の解体工事でのお困りごとでは、
『家の中の片づけが大変』『不用品をどうすればいいの』とお悩みの方が多いようです。
自宅や倉庫を解体しようとするときに、要らなくなった不用品の処分や、要るものと要らないものとの分別などを行う片付けが非常に大変です。
また、遠方に引っ越してしまって、以前住んでいた空き家がある場合など、片付けをしたり、業者に見てもらったりと、何回も往復する時間もばかになりません。
そういう事情からも、解体業者を選ぶ際には、全てを一括して引き受けてくれる業者を選ぶ方が多いようです。全てを一括して行うとは、不用品の分別などの片付けから処分まで、もちろん価値のあるモノは買取りもしてくれる。全て任せてしまえるという事です。
前にも書きましたが、ゴミ屋敷のような状態であっても、解体工事を行う前に、きちんと分別をして運び出し、適正に分別・運搬・処分をします。
解体をする前に、お家の中をきれいに片づけてから工事を依頼したいという方もいます。その場合、売れそうなものは、買取り業者などに依頼します。この場合、複数の業者に依頼することになるので、かえって処分費用が割高になってしまうこともあります。
解体を依頼する時の注意点もあります。
建物を解体する見積りが安いからと依頼して、解体工事が終わってから、処分費として高い追加請求をされてしまうというトラブルにならないように気を付ける必要があります。
また、『家電リサイクル法』に指定された4品目(テレビ・エアコン・冷蔵庫、冷凍庫・洗濯機)は処分するのにリサイクル料金がかかります。
◎建物以外の解体

鉄道車両や、自動車、バスなども解体されます。
廃車の手続がなされた鉄道車両は、重機やガスバーナーで解体されます。
自動車の場合は、抹消登録と呼ばれる廃車手続を行った後の解体となります。
自動車は、パーツの流用も可能なので、解体した車両の再利用もされます。部品取りをして金属部分やエンジンなどの有価物は中古(リユースあるいはリビルド)部品として流通します。取り外したシートなどのパーツは中古品として販売もされます。流用できない部分はくず鉄などの形で再資源化され、残りは廃棄物として処分されます。
また鉄道やバスは、近年鉄道ファン、バスファンの増加に伴って、愛好家向けのイベントなどで廃品が販売されることもあります。
◎トラクターやコンバインなどの農業機械

古くなったトラクターやコンバインなどの農業機械は、世界中でまだまだ活躍しています。
田んぼや畑の面積が小さい日本では、農業機械は進化を続けてきました。トラクター、穀物収穫用のコンバイン、田植機、耕耘機など、日本の農業機械は小型で高性能です。
どこの製品よりも使い勝手がいいと言われる日本の中古農業機械は、世界でも大人気なのです。
なので、日本の中古農業機械は、トラクターを中心に現在海外へ輸出されています。
ヨーロッパ、アジア、中東、中南米、アフリカにも輸出されています。
日本では使えなくなった機械でも、修理したり、部品を交換したりして、全てを解体することなく活躍している機械がまだまだたくさんあります。
◎全てを一括して引き受けられる

※写真は解体の一例です。。。
解体とは『壊すこと』です。建物でも、車輌でも、機械でも使わなくなったモノ、要らなくなったモノは壊してしまいます。
主な解体の理由は次の通りです。
・老朽化が著しく進んだ場合
・耐用年数に達した場合
・災害や事故などにより損傷し、修理不可能の場合
・まだ使えても、技術的に陳腐化し新型に代替される場合
・使用側の事情により余剰となり、転用先もない場合
しかし、ただ壊すのではなく、その中からもまだ使えるモノ、再利用できるモノは再利用します。本当に使いようがないモノまで細分化することで、処分は最小限になります。
そうすることで、処分費用は最小限で済みます。逆に処分するはずだったモノには思いがけない価値が出てくる場合があります。
解体工事は解体工事、不用品の処分は片付け業者、買い取れるモノは買い取り業者に依頼するのでは、どうしても無理、無駄が出てきます。それらを一括して引き受けられることが、解体工事を依頼する時の判断基準になるのではないかと考えます。
『あらゆるモノの価値を最大限に見出すことができる』
『全てを一括して引き受けることができる』
そんな解体工事が理想だと考えます。
2019/10/29 | 日記, 解体工事 |